【話題のITトレンド】HCI|仮想化基盤 次世代のITインフラは何が違うのか ー Vol.40 ー

話題のITトレンド

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シンプルな仮想化基盤「HCI」は何が違うのか

 

定義

 

「HCI(ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャ)」というキーワードが注目を集めています。ITインフラのご担当者であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

「HCI」は、サーバー(仮想化基盤)の新しい構成方法および、構成を実現するサービスやハードウェアの総称です。

従来の仮想化基盤は、大きく分けて①物理サーバー(処理)②ストレージ(保存)③ストレージエリアネットワーク、そしてそれらを連携・管理するための④ソフトウェア(設定ツール)で構成。そろぞれのハードウェアとソフトウェアが連携する形でサーバーの役割を担っていました。「HCI」ではそれらの機能を単一、あるいは並列したハードウェアで担います。

従来のサーバー(仮想化基盤)と「HCI」の違いを、技術と運用の両側面から紐解いてみましょう。

  

  

―技術の違い―

  

  

従来の仮想化基盤

従来の仮想化基盤(いわゆるサーバー)は、役割の異なる複数のハードウェアと、それらを連携・管理するソフトウェアで構成されています。

それぞれのハードウェアは、各ソフトウェアの設定により連携。機器の追加や交換といった構成変更の際には、それぞれのソフトウェアの設定変更が不可欠。構成が複雑なほど、構成変更には相応の手間が発生します

 

シンプル構成の仮想化基盤「HCI」

「HCI」ではサーバーに必要な機能を単一、あるいは並列したハードウェアが担います。従来の仮想化基盤では、データの保存に専用の共有ストレージを使用していたのに対して「HCI」では、各ハードウェアに備えられたストレージを、1つのストレージとして認識させ扱う点が特徴です。(HCIの物理的な構成は、日頃我々が利用するパソコンに似ている)

「HCI」の構成変更の際には、対応したハードウェアを並列で繋ぎ、1つの管理ソフトウェアの設定でセットアップすることができます。なお、一言で「HCI」といってもサービスには「①ソフトウェアのみの提供」と「②ハードウェアとソフトウェアをセットにした機器(アプライアンス)の提供」に分かれます。なお、多くのHCIサービスでは、サーバーの稼働を停止することなく増設(スケールアウト)が可能です。

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― 運用におけるメリット ―

 

 

導入工数の削減

HCI」のシンプルな構成の恩恵は、運用の手軽さに限りません。各種設定を一元管理できるため、設計~構築の期間も短縮されます。シンプルな構成であれば、30分ほどで仮想マシンの起動が可能とも言われています。   

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②投資コストのコントロール

「HCI」では必要な機能を必要な分だけ追加することが可能です。例えば、処理能力を強化したい場合には処理能力の強いハードウェアを追加。ストレージ容量が少ない場合には、ストレージ容量の多いハードウェアを追加するといった具合です。そのため、従来の仮想化基盤に比べ、細かな増設(スケールアウト)が可能になりコストをコントロールしやすい可能性が高まります。

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③データセンターの省スペース化

「HCI」は単一の機器に必要な機能を集約しているため、従来の仮想化基盤に比べ省スペースに納まることも。データセンター(サーバーラック)のスペースを減らせることはコストの削減にもつながります。

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使い所の見極め

  

   

あらゆるサービスがITを介して提供される昨今、サーバーの増設(スケールアウト)といった構成変更に求められるスピードや頻度は増加しています。その対応の早さはビジネスのスピードと直結しており、より小回りの利く運用が鍵を握る時代になりました。

「HCI」には前述の通りさまざまなメリットがありますが、あらゆる側面で万能という訳ではありません。経営者およびインフラの担当者は、現状のサーバーとの比較や、移行する場合のタイミングをあらかじめ見極めることが求められます。

また、HCIは仮想化基盤の中でも「省電力」とされており、昨今話題のESG(環境・社会・ガバナンスを考慮した経営)の観点でも評価されています。ITが当たり前になった現在、企業のITインフラについても注目される時代となりました。

   

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