【話題のおシゴト】データサイエンティストとは!? ー Vol.34 ー

話題のITトレンド

 

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データサイエンティスト徹底解剖

「データサイエンティスト」という職業をご存知でしょうか?

スマートフォンの急速な普及や情報処理技術の発達から、大規模なデータ(ビッグデータ)の活用が可能となり、データを収集・分析しビジネス課題を解決する人材である「データサイエンティスト」が、今世界中で求められています。

今回は、そんなデータサイエンティストの「概要・誕生背景」「必要なスキル」「具体的なシゴト」をお届けします。

 

データサイエンティストの「概要・誕生背景」


データサイエンティストとは「アルゴリズムや統計など情報科学理論を活用してデータを収集・分析、有益な知見を創出(データサイエンス)」し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナルのことです。

例えば、膨大な消費者全体のデータを収集・分析し「Aを買った人はBも買いやすい」という知見を創出、それをビジネスに活かす仕事となります。


データサイエンティストの誕生背景
1990年代後半から2000年代前半、WindowsやSaaS(Software-as-a-Service)が普及し、個人のパソコン所有が一般的となり、インターネット上を行き交うデータ量が増加しました。

当時の企業では、増加したデータを収集する「エンジニア」と、分析する「アナリスト」で役割が分かれているのが一般的でした。

2006年頃からデータの重要性が叫ばれ、Googleなどの大手企業では、データを収集・分析しビジネス課題を解決する「データサイエンティスト」と呼ばれる職業が登場しました。
(この頃は職業として一般化しておらず、定義が曖昧な状態でした。)

2008年以降、AI(人工知能)の飛躍的進化による機械学習の登場、2010年以降には、スマートフォンの急速な普及により、大規模なデータ(ビッグデータ)の価値が高まることで、データの収集・分析、そしてデータとビジネス課題を有機的に結び付ける必要性がより高まり「データサイエンティスト」という職業が一般化されました。

データサイエンティスト誕生背景

 

データサイエンティストの担当領域
「データサイエンティスト」と合わせてよく耳にする職業で「データエンジニア」「データアナリスト」があります。

これらの職業の違いは、業務の担当領域にあります。

ここで「①データエンジニア」「②データアナリスト」「③データサイエンティスト」それぞれの担当業務範囲をご紹介します。


①データ収集・管理担当「データエンジニア」
データエンジニアは、データの収集・管理を担い、そのための情報基盤を構築・運用することが主な担当領域です。

また、機械学習やAIの分野において、学習データを作成することもあります。


②データ分析~ビジネス課題解決担当「データアナリスト」
データアナリストは、データエンジニアが収集したデータを分析することが主な担当領域です。

また近年では、データを分析するだけでなく、分析したデータから仮説を立て問題解決の手段を提案したり、提供しているサービスの改善策を立案することもデータアナリストの業務範囲に含まれていることも増えてきています。


③ビジネス課題抽出~ビジネス課題解決担当「データサイエンティスト」
データサイエンティストは、企業が抱える課題を抽出し、大規模なデータ(ビッグデータ)の中から必要なデータを収集・分析、企業が抱える課題の解決に向けた施策立案を行うことが主な担当領域です。

「①データエンジニア」「②データアナリスト」と大きく異なる点は、その担当領域の広さと、データの収集・分析の前に企業が抱える課題を抽出するところにあります。

データサイエンティストの担当領域

 

データサイエンティストに「必要なスキル」


業務担当領域の広いデータサイエンティスト。
ここで、データサイエンティストに必要な3つのスキル「①データサイエンススキル」「②データエンジニアリングスキル」「③ビジネススキル」をそれぞれご紹介します。


スキル①:データを見極める「データサイエンススキル」
データを多角的に分析するためには、情報処理や統計学などの専門知識が必要です。

データサイエンティストは、大規模なデータ(ビッグデータ)をただ分析するのではなく、どのような場所から、どのようなデータを収集・抽出するかを見極めるスキルが求められます。

また、ビジネス課題の抽出・解決策の立案を担うため、情報処理や統計学などの専門知識をビジネスに応用するスキルも求められます。


スキル②:分析の基盤をつくる「データエンジニアリングスキル」
ビジネス課題に対し的確な解決策を立案するためには、正確なデータを収集する必要があります。

データサイエンティストは、大規模なデータ(ビッグデータ)を分析する前に、正確にデータを収集・抽出する基盤をつくるスキルが求められます。

特に、データの可視化・分析・予測をするためには、その基盤をつくる「機械学習」や「プログラミング」のスキルが求められます。


スキル③:課題を解決する「ビジネススキル」
ビジネス課題を解決するためには、情報処理や統計学、ITなどの専門知識だけでなく、その他にも多くの知識が必要です。

例えば、論理的に課題を抽出する「ロジカルシンキング」や、ビジネス戦略を意識した解決策を立案する「マネジメント視点」が求められます。

また、技術者・お客様といった多くの人と関わるため「コミュニケーション能力」も求められます。

データサイエンティスト 必要なスキル

 

データサイエンティストの「具体的なシゴト」


最後に、データサイエンティストの具体的なシゴト事例を3つご紹介します。


事例①:顧客データを収集・分析し「購買頻度向上」
某ECサイト運営会社では、顧客データ(年齢・地域・購入履歴など)をもとに購買頻度を予測するモデルを構築。

メールを使っての休眠顧客の呼び戻しや離脱防止、購買頻度の向上、サイト上でのプロモーションなどに活用しています。

また、サイト上での顧客がどのページをどのように見ているかを分析することで、購買までの間にサイトからの離脱を少なくするといったサイト内の改善にも役立てられています。

データサイエンティスト EC事例

 

事例②:過去の故障データを収集・分析し「保守管理コスト削減」
某鉄道会社では、過去2年間で収集された故障データをもとに、自動改札機の故障を予測するモデルを構築。

高確率で故障しそうな部分を予測することでメンテナンス頻度を適切にし、設備の品質レベルを下げることなく、保守管理コストを3割削減しました。

データサイエンティスト 鉄道会社事例

 

事例③:HR領域のデータを収集・分析し「働き方改革」
某製造メーカー会社では、人事部門に集まる評価・勤怠データ(出退社の時刻・業務量・業務内容など)をもとに、精神的な不調や離職の可能性を予測するモデルを構築。

従業員の健康管理・リテンション施策(離職防止策)など、人材に関するリスク予測をデータサイエンティストが担うことで、より正確かつ的確な「働き方改革」を行えるようになりました。

データサイエンティスト 製造業事例

 

今後も世界中で活躍が期待されている「データサイエンティスト」。
その業務内容は、技術の発達で必要なスキルも変化します。

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編集長のヒトコト

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