株式会社宇佐美鉱油 様

全国500のサービスステーションとECサイトのシームレス連携によりオムニチャネル戦略を実現

株式会社宇佐美鉱油 様

創業 1950年(宇佐美石油店)
設立 1958年(宇佐美鉱油)
売上高 約1兆450億円(グループ合計)
従業員数 約1万名
株式会社宇佐美鉱油

宇佐美グループでは「人や街に、エネルギーを。」 をスローガンに、グループ全社で「ライフトータルサポーター」を追究。創業時からの信念「お客様第一主義」を貫き、「お客様のために」を具現化してきた結果、業界No.1クラスのエネルギッシュな企業へ成長し続けています。

※2022年12月 インタビュー当時

導入製品 / サービス

 

Good Point


  • 新規事業立上げに必要なテクノロジーを"ワンストップで"調達
  • 運用・保守も"一括で"マネジメント
  • リアルとオンラインをシームレスに連携したオムニチャンネルの実現
  • テクノロジーやシステムの提供に留まらない事業自体の共創力

 

 

EC事業構想の「きっかけ」について


PSC 山本) 国内における石油小売業No.1のポジションを確立している御社がECサイト事業を始めることになった「きっかけ」とは?

数ある新規事業構想の中、顧客起点で追究した選択肢の一つ。

 

当社の中心事業は燃料販売を目的としたサービスステーションの運営とはいえ、その顧客は運送会社を中心に法人約8万社、給油時にクレジット払い、現金で利用する「Usappyカード」発行会員は約1千万人 (2022年11月時点)。その会員様へもっと便利なサービスをお届けできないか?「宇佐美経済圏」をベースにした新たなビジネス領域へのチャレンジを模索しておりました。飲食業界へのフランチャイズ参入、店舗マネジメント力を活かした多店舗での自転車販売施策など、様々な新規事業プランの検討が進行。BtoB・BtoC問わず多数のプランの内の一つがEC事業構想でした。

 

法人顧客に対する物の販売フローはマンパワーによる手作業、サプライチェーンも整備されておらず仕入購買なども店舗毎・スタッフ毎に実施。いわゆるアナログ的・属人的な側面が否めませんでした。また、全国で合算すると従業員は、10,000名超となっており、社内経費購入などの面でも効率化が追求できるのではないかと考えた次第です。お客様へワンランク上のサービスを提供するために、社内の業務・システムの改革、すなわちデジタライゼーションされた標準化を目論んでいました。

先進的なモノ・サービスに対応する「柔軟性」、すぐに行動へ移すチャレンジングな「迅速性」といった社風もあり、2015年時点において企画概略が固まったところでプロジェクト開始。EC事業領域の専門家やITに精通した社内リソースも確保しないまま、ECサイト「うさマートプロジェクト」が2016年公開に向けて、PSCさんと共に取組スタートしました。

 

 

実際にEC事業に取組み、超えてきた幾つものハードル。


PSC 戸枝) 事業立上げ当初の、印象深い場面やポイントなど教えていただけますか。

 

まずは「IT用語」つまり横文字の羅列がさっぱりわからない(笑)。打合せ時に少しでもIT業界用語が出てくると、すぐに「通訳・翻訳」してもらいながらのプロジェクト進行でした。しかし、数々のリアル店舗において売上を伸ばしてきた経験に基づき、お客様のための「顧客視点」と事業成長を捉える「ビジネス視点」を自らが担保すれば、専門的・技術的知見は専門家を頼れば良い。バーチャル店舗でも、その「商売の勘所」などは充分に通用すると考えていました。そこで、システム導入に関しては全面的にPSCさんを信じて、頼らせて頂きました。

 

ECやITの専門的知見の問題はクリアしたものの、実際にリリース計画を検討する際には、多くの部署やステイクホルダー、幾つものフェーズとタイムフレームなど、配慮すべき点やマネジメントすべき課題は山積な状況です。そこで、リスクを最小限に抑えつつ、確実に進捗させるべくステップ戦略を採用。具体的には、①グループ会社含めた自社経費での購入機能リリース→②法人顧客向け販売機能リリース→③コンシューマ向け機能の解放、といった段階的にスキームを構築し、PSCさんと共に着実に進めて行きました。

 

以上のように、「挑戦と堅実」を共に意識しながらEC事業の構築を推進。山あり谷ありの中、一定の手応えは感じ始めていました。しかし、構築フェーズがある程度進捗し、運営フェーズが始まると気になるのが成果。つまり、売上と言う点に着目すると、幾つか手立てが不足している点にも気づき始めました。専用物流拠点の確保や物流管理システム(WMS)の導入、取扱い商材を拡充すべく外部ECサイトとのシステム(API)連携など等。対応すべきタスクに追われ断続的なシステム開発が通年に渡り複数走りました。また、一般コンシューマやSS従業員をはじめとする社内スタッフからのコールを受付けるサポートセンターの立上げまで、多面的にEC事業を支える役割をPSCさんが担うことになり、両社による事業拡張への取組がスピードアップ。社内向けのDXと社外向けDXのコラボレーションです。

 

 

 

PSCのDXCサービスが「選ばれる理由」

新規事業の共創

店舗とECの融合(オムニチャネル)実現

外部サイトと基幹システムの連携

ヘルプデスク含む運用体制構築

 

 

導入効果①「部門横断連携:オムニチャネルの実現」


PSC 山本) SS店舗とECサイトとの具体的な販売連携施策について教えてください。

 

 

SS店舗を管理する販売本部とEC事業部が連携することによるオムニチャネルサービスとして「スマートピットイン」サービスシリーズを続々とローンチしていきました。「スマートPIT INタイヤ交換」、「スマートPIT INコーティング」、「スマートPIT INオイル交換」など、ECサイト(オンライン)上で購入・決済・作業予約~最寄りSSでの実作業対応(オフライン)としたサービス。ユーザ利便性が非常に高く、お申込件数は右肩上がりの状況です。正にSSサービス(オフライン)とECサイト(オンライン)が完全に融合した宇佐美ならではのオリジナルモデルですね。

 

 

また、会員顧客囲い込み施策の一環として公式アプリを全面刷新。最寄SS店舗への誘導やお得なクーポン配信機能などを実装し、約70万ダウンロードを達成しています(2022年1月時点)。どんなタイミングで一般ユーザとアプリを通じたコミュニケーションをとっていくのがベストプラクティスなのか、日々トライ&エラーを繰返しながら改善の日々。少しずつではありますが着実にお客様満足を図り、売上貢献できていると実感しています。

 

 

 

導入効果②「部門横断連携:業務効率化追求」


PSC 戸枝) うさマートが次第に機能拡張し、物販を取扱う「基幹システム」へと変貌していきました。社内での影響はありましたか?

 

法人顧客のデータベースが完全に機能し、PSCさんにより名刺管理システムも追加連携開発。営業部門による顧客管理のデジタル化が一気に加速しました。また、SS店舗などは顧客の購買履歴をもとにアップセル、クロスセルを目的としたメール配信(SSフォローメール)システムを最大限に活用。お客様向け販促活動の業務効率化が迅速に進み、以前と比較して生産性は倍(200%)以上、今までなかった新規事業なので正確な比較はできませんが、各人が属人的にアナログ作業を行なっていた時と比べたらその生産性向上は計り知れないと感じています。

 

自らのEC事業部においては、売上伸長に伴い管理業務の負荷も増えてきたことから、サプライヤーへの自動発注システムや請求書の電子化システムなどを開発・導入し、アナログ業務のDX化を推進しています。

 

 

2021年には新たな顧客向けサービスとして「タイヤ保管サービス」を導入。シーズンタイヤをECで購入し、最寄店舗にて交換時に不使用タイヤを一定期間お預かりするサービスです。SS各店舗でのタイヤ預かり受付業務に利用するタブレット型デバイスもPSCさんから調達。店舗利用専用にカスタマイズ、キッティングし、各SSへ導入してもらいました。PSCさんによるリアルな受付業務(サポートサービス)のIT支援と預かりタイヤ管理システムのデジタル化。両面でサポートしてもらうことで、宇佐美としてはサービス企画に専念できるところが有難いですね。

 

 

 

「今後の展望について」


PSC 山本) EC事業を立上げてから7年目を迎えています。今後の展望などを教えてください。

 

昨年度に売上120億円を突破し、一定の成果は上げたと捉えています。しかし、まだまだお客様満足を図るべき領域は沢山あると思っています。例えば、EC商材をモノだけではなくコト、つまりサービスを商材化。今までの常識では考えられなかったオンラインサービス、ビジネスの可能性を追究して行きたいと考えています。また、内部の業務効率化も引続き高めて行きたいです。例えば、PDCAの一連をリアルタイムでデータ化&可視化。リアルタイムで行うことでActionしながら次の一手を同時にプランニングするなど、スピード経営を実現したいと思っています。従って、データ分析基盤を活用したBIやAIなど、PSCさんには引続きDXの専門的領域において共に事業を進めて頂けたら幸いです。

 

ECサイト構築・運用を中心としたDXC(デジタルトランスフォーメーション コンサルティング)

 

 

株式会社宇佐美鉱油

経営企画本部 EC事業部 部長

近藤 洋英 様

近藤 洋英 様

株式会社宇佐美鉱油

経営企画本部 EC事業部 販促企画チーム

山本 恭子 様

山本 恭子 様

株式会社宇佐美鉱油

経営企画本部 EC事業部 販促企画チーム

垣内 百香 様

垣内 百香 様

株式会社宇佐美鉱油

経営企画本部 EC事業部 販促企画チーム

山下 裕美 様

山下 裕美 様

株式会社ピーエスシー

営業本部 DXアカウントエグゼクティブ

山本 昌史

山本 昌史

株式会社ピーエスシー

DXコンサルティング事業部 課長

戸枝 久佳

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