製造業のDXを支える「OTとIT」の融合!
OTとは、Operational Technology(オペレーショナルテクノロジー)の略で、交通手段やライフラインといった社会インフラにおいて、それに必要な製品や設備、システムを最適に動かすための「制御・運用技術」のことを言います。
近時、製造業の現場でOTとIT(Information Technology)の融合が叫ばれています。今回は、製造業の抱えるDX課題とその背景、そして今後についてお届けします。
OTとは?
<定義>
OTとは、交通手段やライフラインといった社会インフラにおいて、それに必要な製品や設備、システムを最適に動かすための「制御・運用技術」を意味し、製造業を中心に活用され発展してきたテクノロジーです。
<課題>
何れの業界でもDX推進が急務と言われる中、製造業に於いてはOTとITの分離がDX推進を阻むとも言われています。
今日、電力や交通などの社会インフラシステム、ならびにファクトリーオートメーションに代表される産業システムは、利用者への最適なサービスの提供はもちろん、地球環境や高齢化社会といったシステム外部の社会問題への対応まで求められるようになり、急速に複雑さを増しています。こうした環境下では、各産業分野に閉じたシステムの効率化だけを追求しても、課題の解決にはつながりにくいです。そこで、社会インフラシステム・産業システムのオペレーションを制御するOTと、情報システムをつかさどるITの連携により、課題を解決しようという動きが活発になっています。
OTとITの融合
<経営と現場のコラボレーション>
OTとITが融合することによるメリットは多岐に渡ります。産業機械や運搬装置などの稼働状況や稼働率などは、これまで生産現場の担当者しか把握することは不可能でした。しかしそれらが、データとしてネットワークを通して経営側に伝わることで、さまざまな経営判断の材料になり得ます。
OTとITが融合し、IIoT(Industrial Internet of Things)と呼ばれる製造現場のIoTが実現すると、製造現場と経営側がリアルタイムにつながります。生産管理や在庫管理も、現場からのリアルタイムなデータを基にした経営判断が可能となるのです。
OTとITの融合は、より柔軟で戦略的なモノ作りを実現するための武器となり、製造業のDX化に大きく貢献することになります。
<多品種少量生産>
これまで多くの製造業では、特定の製品を決まった製造ラインで大量生産してきました。1つの工場で作れる製品は決まっていて、その工場の製造ラインでは製品を出来るだけ安く、早く、大量に生産出来るように設定されていました。その結果、各工場・各生産ラインでERP(Enterprise Resource Planning:基幹システム)やMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)が存在管理されていました。
しかし、製品を作れば作っただけ売れる昭和時代は終わり、様々な製品を少しずつ生産する少量多品種生産の平成時代へと変わりました。
この変化はさらに加速して、近い将来大量生産と同じコストで1つずつ仕様が異なる製品の生産が、当然のように可能になる時代が来ると言われています。各ERP/MESをITにより有機的かつリアルタイムで繋ぐことで、迅速性と柔軟性を兼備した経営が実現でき、かつ多品種少量生産これを実現する工場をスマートファクトリーの誕生です。
<未来に向けてOTとITの融合発展>
これまでは独立したネットワークに構築されていたOTですが、IoTなどを活用しITと融合させた場合、ネットワークの範囲はインターネットにまで及びます。これまでITに照準が当てられていたサイバー攻撃も、OTが標的となることが予想されており、現実世界と直結しているOTでは、インシデントに対してより迅速に対応出来るセキュリティ対策(IT)が求められます。これにより礎を固め、新たなOTとITの融合により製造業のDXはもちろん、社会全体のDX推進につながってほしいですね!
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