電球を用いたデータ通信「Li-Fi」について解説!
「Li-Fi(ライファイ)」という言葉をご存じでしょうか?
Li-Fiとは、LEDライトの光を用いてデータ通信を行う技術のことで、以前メルマガでもご紹介したWi-Fi6の20倍以上ともいわれる超高速通信を実現できると言われています。
そこで、今回はそのLi-Fiの「仕組み」「3つのメリット」「今後」をお届けします。
Li-Fiとは?
Li-Fiとは、「Light Fidelity」の略で、LEDライトの光でデータ通信を行う「光無線通信技術」の一種です。
LEDライトから出る光を、人間の目では認識できないほど高速に変調させて信号を送り、双方向のネットワークを構築します。
LED照明機器を、インターネット回線とつなげることで、受信機をつけたパソコンやスマートフォン等のデバイスと通信させ、インターネットに接続する事ができます。
Li-Fiを使う3つのメリット
メリット①:超高速通信を実現!
Li-Fiは、最大で224Gbps(理論値)の速度でデータ転送が可能とされています。
(これは、1秒で2時間ほどの映画を18本分ダウンロードできる速さです!)
従来の規格であるWi-Fi5の最大通信速度は6.9Gbps(理論値)、新規格であるWi-Fi6の最大通信速度は9.6Gbps(理論値)でした。
つまりLi-Fiは、Wi-Fiと比べて20倍以上ともいわれる超高速通信を実現できます!
メリット②:高い安定性を実現!
Li-Fiで用いられている「光無線通信技術」では、それぞれの家庭やオフィスにあるLED電球の光を利用するため、電波の干渉は起こりません。
Wi-Fiで用いられている「電波無線通信技術」では、電子レンジと周波数が重なってしまい、速度低下を引き起こすなどの問題がありました。
つまりLi-Fiは、Wi-Fiと比べて高い安定性を実現できます!
また、電波によるデータ通信では、精密機器などに影響を与える「電磁波」が発生するため、病院や飛行機内での使用は制限されてきました。
しかし、光によるデータ通信であるLi-Fiであれば、そうした障害が起こる心配がありません!
メリット③:セキュリティの向上!
Li-Fiでは、LEDライトの光でデータ通信を行っているため、LEDライトの光が届く範囲でのみネットワークへの接続が可能となります。
そのため、部屋や建物外からのアクセスが困難となり、セキュリティの向上につながります。
特に、強固なセキュリティを必要とする企業や国家などでは、大きなメリットになります!
Li-Fiの広まり
ここまでLi-Fiの特徴についてご紹介させていただきましたが、ここで、Li-Fiの広まりについてご紹介させていただきます。
Li-Fi は、2011年のエディンバラ大学のハラルド・ハース教授によるTED Globalでの発表により、世界に知られるようになりました。
ハース教授は発表の際、「照明に無線通信機能を付ければ世界が変わる」、「マイクロチップを照明機器に取り付けるだけで、世界にある140億個の電球を、照明と無線通信の2つの機能を備えたLi-Fi装置に変えることができる」とLi-Fiを紹介しました。
その後の2012年には、ハース教授がpureLiFi社(エディンバラ大学発のベンチャー企業)を立ち上げ、2014年に同社は、Li-Fiシステムである「Li-1st」を初めてデモンストレーションしました。
現在でも、世界で実用化に向けた動きが加速しています。
Li-Fiのこれから
Li-Fiは、環境負荷を低減するとして注目されています。
ハラルド・ハース教授の言葉にもありました通り、Li-Fiは照明機器にマイクロチップを取り付けるだけで無線通信が実現できるので、新たなエネルギーを用いる必要がありません!
つまり、大量のエネルギーを必要とする基地局が、長寿命かつ省エネルギーなLED電球に変われば、間違いなく環境負荷は低減されます!
より速く、より安全で、より環境に優しい通信の実現に向けて、引き続きLi-Fiから目が離せませんね!
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